プロの印刷屋の独り言

印刷のプロから見た印刷業会のことや印刷トラブル、印刷技術情報や印刷通販の選び方などをお伝えします。

何故?カレイドインキが主流に成らないのでしょうか?

カラー4色の写真印刷で、
何故に写真が鮮やかに印刷できないのだろうかと…。

 

印刷職人になってカラー印刷を初めてころから

疑問に思っていました。

 

と言うより、

理由は当時から知っていました。

 

 

ご存知の様にプロセスインキは
シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で
その掛け合わせで写真印刷は出来ています。

 

シアンのインキの中には少しだけマゼンタ・イエローの要素が含まれています。
マゼンタのインキの中には少しだけイエロー・シアンの要素が含まれています。
イエローのインキの中には少しだけシアン・・マゼンタの要素が含まれています。

 

シアンとマゼンタが混ざったときにイエロー(補色)が邪魔をします。
マゼンタとイエローが混ざったときにシアン(補色)が邪魔をします。
イエローとシアンが混ざったときにマゼンタ(補色)が邪魔をします。

 

それぞれ邪魔なインキ(補色)が彩度を下げています。

 

なので、インキメーカーさんに


純粋な何も混じっていないシアン・マゼンタ、イエローインキを作って欲しいと
お願いしました。

 

しかし、当時は不可能と言われ、何故出来ないのか疑問でした。

 

 

ところが、20数年も経てば望んでいたインキが出来ました。

それが東洋インキさんのカレイドインキ。


正に待ち望んでいたインキなのです。

 

でも、価格が高い!
通常のインキの約5倍?

 

価格は使用量が増えれば多少安くなると思います。


インキ価格が高いと印刷代に転嫁しないと、

利益が少なくなるので、当然印刷代はアップします。

 

価格の影響は大きいと思いますので、

全ての印刷物にカレイドインキを使用するのは無理だと思いますが、

写真がメインで鮮やかに印刷したいのなら、

カレイドインキがオススメです。

 

それなのに、何故かカレイドインキの使用率が低い。

 

今までの4色印刷がスタンダードになってしまっているのでしょうか?
彩度の高い印刷物が不要なのか?
このインキのことを知らないのか?
色々理由は有るともいますが…。

 

何れにしても
世の中の4色印刷がカレイドインキに置き換わらないのが
不思議でなりません。(価格の壁は高い?)


現在、各メーカーさんから
同じようなインキが発売されているのですが、、、



一番の原因はやはり宣伝不足なのでしょうか?