難しい印刷物とは?
前回の記事 のとおり、刷りにくい用紙はもちろん難しい印刷物に含みます。
それ以外でも比較的刷りやすい用紙でも、難易度は分かれます。
では絵柄で刷りにくい(難しい)とか、刷りやすい(簡単)とか、あると思いますか?
オフセット印刷の中に、
プロセスカラー印刷、特色印刷があり、
両方とも、文字だけの物や、写真がある物、殆ど絵柄のない物、沢山絵柄がある物、
があります。
職人さんにでも聞かないとわかないのですが、
一般に特色のベタ刷りは難しいと言われます。
*1
なぜ難しいのでしょうか?
それは、インキ壺の調整が難しい、ムラが出やすい、裏付きしやすい、用紙によってカールする、紙粉や、インキカス等が付いて白く抜ける。(専門用語でヒッキーやピッキングが起きやすい。)
なので、ベタ刷りは少し厄介です。
では逆に、絵柄が少ないと印刷が楽なのかと言うとそうでもありません。
それは、インキの消費が少ないために、インキが乳化しすぎるからなのです。
オフセット印刷はインキを適切に乳化させて印刷するのですが、
過剰に乳化すると、インキが版に載らなくなります。
絵柄が少ないと水のコントロールが非常にシビアになり厄介です。
以上の事から、カラーでも特色でも
ある程度絵柄があって、ベタの少ない印刷物が簡単と言えます。
しかし、簡単な印刷物ばかりではないので、
オフセット印刷は非常にリスクの多い難しいお仕事だと言う事です。
*1:ベタ刷りとは写真の様な網点で階調のある絵柄ではなく、100%の絵柄の事です。