プロの印刷屋の独り言

印刷のプロから見た印刷業会のことや印刷トラブル、印刷技術情報や印刷通販の選び方などをお伝えします。

印刷で一番多いクレームはやはり色ですね。

印刷で一番多いクレームはやはり色ですが

印刷屋のミスで起きる色のクレームは色むらです。

今回は色むらについて説明します。

 

まず、オフセット印刷は

色むらが非常に出やすい構造になっています。

 

いきなり言い訳みたいになってしまってますが、

その理由は何点かあるのですが、

一番わかりやすいのがインキ皮膜です。

 

オフセット印刷のインキ皮膜は

約1ミクロン(1μm)です。

 

ミリに直すと0.001mmなのですよー!

 

数千枚から数万枚を印刷する間、始めから最後まで

ずーと同じ皮膜を保たないといけません。

 

仮に1.3μm(僅か+0.0003mm)の誤差が発生すると濃くなります。

0.7μm(僅かー0.0003mm)の誤差だと薄くなります。

数字だけ見れは非常に僅かな誤差という事がわかって頂けるでしょうか?

ほんのわずかな誤差で色むらが発生するのです。

 

カラー印刷の場合ですとこれを4色(CMYK)分共、

同じように始めから最後までコントロールしなければなりません。

 

凄く高度なオペレーションだと思いませんか?

 

このようにほんのわずかの皮膜の差で色が変化しますので、

色むらは出やすく、クレームになる事が多いのです。

 

またクレームの多い色むらには二種類あり、

始めの方に印刷したものと後の方に印刷したものによる色むらと、

同じ用紙の中で、左右の濃度差(皮膜差)による色むらがあります。

 

同じ絵柄のものが何個もつけてある印刷物は

もしも左右で色むらを出すと、

後で小さく切った時に色の違いが非常に分かりやすくなります。

 

例えば、トランプの絵柄面の印刷で、左右の色むらは厳禁です。

これはなぜだか言わなくても分かりますよね?

 

※トランプの印刷は一枚の用紙に全てのカードを付け合わせて印刷します。

(左右に11丁、天地に5丁の55丁で印刷します)

 

※付け合わせとは一枚の同じ用紙に違うも絵柄のものを一緒に付けて印刷する事です。