プロの印刷屋の独り言

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UVインキジェット印刷機KM-1の良し悪し

コニカミノルタホリゾンとヤマダイワークスさんの

展示会に行ってきました。

 

メインの展示はデジタルオンデマンド機の

Accurio Press C2070+IQなのですが、

UVインキジェット印刷機AccurioJet KM-1の実際に印刷した印刷物と

紹介DVDを見せていただきました。

 

今後各メーカーさんが力を入れて行くのが

インキジェット印刷機です。

 

この流れは10年以上前に予測しており、

少し開発が遅れて実用化するのに時間が掛かったかな?

と思います。

 

このUVインキジェット印刷機のメリットデメリットを

考えてみました。

 

メリット

・版が不要

・ヤレ紙が出ない

・準備時間短縮(版変え・色調整、見当合わせ)

・特別な技術が不要

・ゴーストなど出ない

・色むらが出ない

・前処理不要で多様な用紙に対応

・凹凸のある用紙も印刷可能

・バリアブル印刷可能

 

デメリット

・イニシャルコスト高い(2億円)

ランニングコスト高い(インキ・保守費用)

・回転が遅い(3000回転/時)

・サイズがB2まで(現在)

・ヘッドの対応年数が不安

 

こんなところでしょうか?

やはりコストの部分で弊害がありますが、

多品種小ロットであれば、採算が会うかもしれません。

 

実際にこの印刷機で印刷した書籍(図録)が

販売されています。

 

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極小ロットのページが多い写真集などは

刷版のコストが掛かり、どうしても高価になるのですが、

この機械で印刷すれば安価にできるのではないかと思います。

 

単純に今のオフセット印刷の代わりに使う考え方では

コストが合わないような気がします。

 

今から導入するのか

もうしばらく静観するのか迷うところですね。

 

 

しかし、次の時代はインキジェット印刷機になることは

間違いないと思います。