電気屋さんに行ってテレビの色を見てください。
大きいのから小さいのまで沢山並んでますよね。
メーカーも色々で発光方式も違います。
同じ番組が写っているテレビを見比べて
どうでしょう?
同じ色はないですよね。
でもテレビを買うときに
そこはあまり気にしないと言うか
明るいとか綺麗だとか鮮明だとかは気になっても
実際の色と比べたりはしないと思います。
(比べたくてもできませんが、、、)
でも印刷物になると少し見方が違うのです。
実際の色と比べたりしませんか?
テレビの場合はメーカー違いでの差と
同じメーカーでも個体差で色の違いが出ます。
オフセット印刷はテレビとは理屈は違いますが、
機械メーカーが変われば色は変わるのです。
同じメーカーでも機械が違えば違う色になります。
(同じになるように近づける努力はしています。)
印刷データが同じなのに
印刷会社が変われば違う色に刷り上がってきます。
また、同じデータの再販(再注文)で同じ印刷会社なのに
違う色で刷り上げってきます。
(合っている場合もあります。)
それはなぜでしょう?
答えはオフセット印刷はアナログな部分が多いからなのです。
デジタル時代なのになぜ?と思いませんか?
確かに印刷の前行程(プリプレス)は完全デジタルになりました。
同じソフトで同じデータを作ればデータ上は全く同じ色です。
仮に印刷データ(アドビイラストレータ)で
マゼンタ(紅)50%のデータがあるとします。
それを印刷版「コンピュータートゥープレート」(CTP)に出力します。
露光はデジタルなので、変わることはありませんが、
実際にCTP上で50%の網点になる訳ではありません。
印刷会社によってドットゲインカーブを調整して
50%は45%にするとか40%にするとかしています。
そのまま50%で出力するところもあります。
そこに基準はありません。
各社バラバラなのです。
第一段階:CTPを露光する部分で変わります。
次に露光したCTPを現像します。
現像はアナログで現像液の状態でわずか数%ですが変わります。
第二段階:CTPの現像で変化します。
CTPを印刷機にセットして印刷します。
CTP上で仮に45%だたっとします。
それが印刷すると(印刷機によって変化の度合いは違いますが)
55%に変化します。(これをドットゲインと言います)
第三段階:印刷機のドットゲインで変化します。
同じ機械で印刷しても変化するといいましたが、
それは印刷現場の気温、湿度で変わるからなのです。
印刷インキの硬さでも変わります。
(温度が変わればインキの硬さは自然と変わります。)
それらすべてが、ドットゲインに影響します。
第四段階:変化の要因はまだまだあります。
印刷スピード、インキ量、湿し水の量、
また、ローラーの状態やブランケットの状態、
それに印圧でも変わります。
これらは全てアナログなのです。
デジタルでは制御出来ません。
実際に刷り上がった印刷物の色を見て
オペレーターの眼で確認して調整する(ターゲットの色に近づける)
しか方法はありません。
現在は刷り本を全面スキャンして
ターゲットの色に近づけることもできますが、
小ロットではロスが出すぎますので、使えないと思います。
印刷機だけで色が変化する要因が沢山あります。
同じデータを同じに印刷するのは非常に難しいことなのです。
同じ印刷機械でも変化するので、
印刷会社が変われば当然同じ色には刷り上がりません。
ですので、
多少の色違いは多めに見てくださいね。
決して色が変わってはいけない
日本銀行券でも微妙に色の違いはありますが、
決して偽札ではありません。
許容範囲です。