活版印刷の時代からオフセット印刷に変わって
半世紀ぐらい経ちますが、その仕組み自体は全く変わっていません。
当初と比べれば、
かなり使いやすくはなっています。
便利になった部分の昔と今を簡単に比較してました。
目次
1、給紙(印刷用紙を印刷機械に入れる)
昔:一枚ずつ手で紙をめくり、印刷機に入れていた。(手差し)
※前当て二箇所と針一箇所の3点をぴったりと瞬時にセットする技術が必要。
今:機械が自動で一枚ずつ入れる
2、湿し水装置(版面を湿らす装置)
昔:モルトンを巻いたローラーで間欠給水
※湿し水の量の調整も職人技がいる
今:連続給水で水を冷やし循環している。
3、インキ壺(絵柄によってインキの量を調節する)
昔:手動でネジを回し調整
※インキの量は経験値で調整するので、それなりの経験が必要です。
今:絵柄を測定しインキ量を計算して電動で調整
4、版セット(版を機械にセットする)
昔:手動で印刷機にセットし、スパナでネジを数カ所締める。
※万力にセットしてネジを締めて引っ張るので、力加減が変わると版が伸びたりする。
今:手動で印刷機にセットするだけで機械が自動で装着
5、印刷版
昔:石版・ジンク版
今:PS版・CTP版
※素材も薄く軽くなり、砂目の開発により保水性が良くなり、刷りやすくなった。
6、印刷インキ
昔:乾くとすぐに皮が張る
今:皮が張らない
※インキの乳化に対する水幅が広くなった
まとめ
昔と変わらないものは用紙を積み込む作業のみです。
細かいことを言えば他も色々と変わっているのですが、
昔と比べれば、自動化が進みオペレーターの作業や技術がかなり軽減され、
人による操作格差も減っているので、誰でも簡単に使いやすくなっています。
職人技は必要なく、単なるオペレーション(操作)になっています。
技術や知識がなくとも80点位の印刷をすることが可能です。
しかし、最終的に判断するのは人間なので、
100点満点を取るにはそれなりの経験と知識が必要でしょう。