オフセット印刷で比較的多いミスの中で
裏移りとブロッキングがあります。
裏移りとは
印刷面のインキが上に重なった用紙の裏に移ることです。
片面刷りの場合は印刷のない裏面にインキが付けば使えません。
当然表面にも裏に移った部分は少しインキが剥がれて
絵柄に影響が出ています。
ブロッキングとは
裏移りの酷い状態で、
完全にインキが引っ付いて紙が一枚ずつ剥がれないで、
ブロックのようになるので、ブロッキングです。
オフセット印刷の油性インキは
用紙にインキが載ってすぐには乾きません。
印刷スピードは1時間に8,000枚から15,000枚で印刷しています。
1秒間に2枚〜4枚もの速さで印刷され
まだ乾かない内に次々に上に重ねて積み上げて行きます。
何もしないと殆んどブロッキングします。
そうならない為に、
印刷後の紙の上に細かいパウターをスプレーして
裏移りやブロッキングを防止します。
絵柄や用紙の種類によって
スプレーするパウダーの量を変えるのですが、
両面刷りの場合やあと加工がある場合は
なるべく少なくする方が作業がしやすので、
極限まで減らします。
裏移りの原因はスプレーパウダーの量だけでは無く、
用紙の種類や印刷状態でも影響してきます。
その為にオフセット印刷は湿し水の調整がかなり重要になってきます。
スプレーパウダーの量と湿し水を極限まで絞ることで、
綺麗な印刷ができます。
なぜ印刷トラブルで一番ショックなのは裏移りかと言うと
自分では品質的に完璧に印刷できたと思って満足していても、
積み替えの時にほんの少し裏移りがあったら、すごくショックです。
当然刷り直しになるので、
納期遅れと、費用がかさんでそれもショック!
せっかく綺麗に刷れて自信満々だっただけに
ショックが大きいのです。
それに同じものを短期間に二回印刷するのは
面白くないです。
刷り直しで
前回と同じように印刷できる保証はどこにもありません。
が、裏移りはしないようにスプレーパウダーの量は
間違えないようにします。