プロの印刷屋の独り言

印刷のプロから見た印刷業会のことや印刷トラブル、印刷技術情報や印刷通販の選び方などをお伝えします。

印刷技術

オフセット印刷の生産性を上げるにはどうすれば良い?

オフセット印刷の生産性を上げるにはどうすれば良い? 答えは簡単、二つあります。 1、印刷速度を速くする(機械を速く回転させる) 2、印刷準備を速くする(版変えから本刷りまで) 当たり前ですね?印刷の刷り代が、40年前と同じか下がってますが、 潰れ…

ヤレ紙なしでの印刷前準備(生産性向上)

見当合わせと色調整をするにあたり、 ヤレ紙を通してから本紙を通すやり方をされている所があります。 私が印刷に初めて携わった頃は(44年前) 殆どの現場で当たり前だったと思います。 その頃は他の現場を知らないので、 何とも言えませんが、何人かの職人…

中々流行らないカレイド印刷

昔(35年程前)に疑問を抱いていた事があります。それは、プロセスカラーのインキの事です。 その頃のプロセスカラー印刷はCMYKの4色刷り(今も)ですが、 どうしても濁る仕上がりになるのです。 何故だか解りますか? プロの印刷屋さんでも解る人は少ない…

表組みの線が一本だけ太いのは何故?

昨年印刷した32ページのパンフレットで、 商品と品番、価格が入った表組みが半分位あります。 改版修正の再版なのですが、 昨年のパンフレットで1ページの表の罫線の一本だけ 太く見えて印刷されていると指摘を受けたらしく、 直して欲しいとクライアントか…

秋季大会パンフレットの編集作業

春の大会はコロナで開催されるか微妙だったのですが、 パンフレットの編集は既に進めており、ほぼ完成の状態でした。 結局中止にはなったのですが、 パンフレットだけは編集が出来ているので、 製品に仕上げて収めることが出来ました。 秋季大会は開催する予…

印刷立会い

印刷の刷り上がりの色が本番はどうなるのか、 担当営業さんや、そのクライアントさんが一緒に現場に来て、 色目の確認をする事を印刷立会いと言います。 本機で校正をすれば良いだけの事ですが、 校正刷りから色味を変更して再校正をしないで、 立会いで確認…

ゴミは印刷しない

ある印刷屋さんの社長の言葉です。 我が社は「ゴミは印刷しない」とおっしゃります。 ゴミを刷るのではなく、ゴミになる印刷物のことです。 殆どの印刷物は目的を達成した後、 雑紙ゴミや、古紙回収、生ゴミとして出されます。 では、ゴミ以外の印刷物とは何…

色の付いた用紙に印刷

プロセスカラー印刷は、 通常白い用紙に印刷します。 稀に薄く色の付いた用紙に印刷することはありますが、 印刷結果は用紙の色+印刷色なので、 白い用紙に印刷した時とは違う仕上がりになります。 (オフセットインキは透明インキなので、下の色が透ける) …

オフセット印刷のトラブルには目が沢山あります。

目と言っても人間の目ではありません。 オフセット印刷のトラブルで ギアー目・ローラー目・ショック目、水ローラー目など、 目が沢山あります。 この目というのは 印刷方向に対して直角に 印刷されるはずのない模様が出る事です。 1、ギアー目は一定間隔で…

2色印刷は減りました。

印刷通販が登場して、 カラー印刷が安くなったので、 わざわざ2色印刷をする意味がなくなったのか、 それとも、2色印刷のデザインが出来なくなったのか? まあ、カラー印刷で2色印刷も表現できるので、 今更2色印刷する意味は無いでしょうね? 昔はカラ…

何故?カレイドインキが主流に成らないのでしょうか?

カラー4色の写真印刷で、何故に写真が鮮やかに印刷できないのだろうかと…。 印刷職人になってカラー印刷を初めてころから 疑問に思っていました。 と言うより、 理由は当時から知っていました。 ご存知の様にプロセスインキはシアン、マゼンタ、イエロー、…

現在の印刷の段取りは昔と違う?

鳥は何故細くて揺れる電線に止まっていられるのでしょうか? 答えは飛べるからです。 もしも足を滑らせて落ちかけたとしても、落ちて怪我をしたり、命を落とすことはありません。飛べるから余裕なのでしょう。 人間が50センチのラインに沿って道を歩くとき、…

印刷物の難易度

難しい印刷物とは? 前回の記事 のとおり、刷りにくい用紙はもちろん難しい印刷物に含みます。 それ以外でも比較的刷りやすい用紙でも、難易度は分かれます。 では絵柄で刷りにくい(難しい)とか、刷りやすい(簡単)とか、あると思いますか? オフセット印…

刷りにくい印刷用紙は苦労します

オフセット印刷にとって 刷りにくい印刷用紙は時間ばかりかかって生産効率が非常に悪いです。 刷りにくい印刷用紙とは特殊紙が殆どです。 特殊紙と一括りにしてますが、要は機械に給紙しにくい用紙です。 例えば、 和紙系統の用紙、凄く薄い用紙、静電気の起…

高精細は綺麗に印刷出来るの?

印刷通販会社の価格競争も激しいですが、 品質での競争も結構あります。 高精細で高品質(綺麗)に印刷出来ますと各社訴えておられます。 果たして高精細で印刷すれば、全てが綺麗に印刷出来るのでしょうか? オフセット印刷はカラーの場合、通常175線で印刷…

プロセス4色+特色印刷

久しぶりの投稿です。最近、遠方から特殊紙の印刷を受注するケースが増えてきました。 一部の用紙なら通販でも対応しているとは思いますが、 特殊紙に特色印刷となってくると印刷通販は苦手なのでしょうか? ちなみに選挙のポスター印刷の場合、ユポを使用す…

レーザーカラープリンターとオフセット印刷の色が合わない。

自社に導入しているレーザーカラープリンターと 外注に出したオフセット印刷との色が合わないトラブルがよくあります。 印刷通販各社に同じデータで同じ条件の仕事をお願いして、 比較したことがないので、憶測でしか言えませんが、 どこにお願いしてもぴっ…

印刷で一番多いクレームはやはり色ですね。

印刷で一番多いクレームはやはり色ですが 印刷屋のミスで起きる色のクレームは色むらです。 今回は色むらについて説明します。 まず、オフセット印刷は 色むらが非常に出やすい構造になっています。 いきなり言い訳みたいになってしまってますが、 その理由…

同じデータなのに刷り上がりの色が違う理由

電気屋さんに行ってテレビの色を見てください。 大きいのから小さいのまで沢山並んでますよね。 メーカーも色々で発光方式も違います。 同じ番組が写っているテレビを見比べて どうでしょう? 同じ色はないですよね。 でもテレビを買うときに そこはあまり気…

オフセット印刷はUV印刷が主流になってきます。

通販印刷で多い、オフセット印刷はですが、 少し前までは通常インキ(自然乾燥)での印刷でしたが、 最近はUVインキを使用したUV印刷が主流になってきています。 UV印刷とは印刷後に紫外線を照射して インキを強制的に硬化(乾燥)させる印刷です。 なぜ主流…

印刷通販の正しい選び方(品質)

印刷通販を利用しているユーザーアンケート(印刷ジャーナル調べ)で 印刷通販を選ぶときの優先順位は 1、価格 27% 2、品質 22% 3、納期 20% 4、サポート 7% 5、製品のバリエーション 7% 6、支払い方法のバリエーション 6% らしいです…

オフセット印刷は水が命です。

オフセット印刷(平版印刷)の原理は水と油(インキ)が反発する特性を用いて印刷部分とそうでない部分を分けています。 平版印刷は平らな刷版を使うので、印刷部分に高さがないために、印刷部分は水を弾きインキが乗り、印刷しない部分に水を含ませてインキ…

オフセット印刷機の進化?

活版印刷の時代からオフセット印刷に変わって 半世紀ぐらい経ちますが、その仕組み自体は全く変わっていません。 当初と比べれば、 かなり使いやすくはなっています。 便利になった部分の昔と今を簡単に比較してました。 目次 1、給紙(印刷用紙を印刷機械…

印刷機のメンテナンスは重要です。

印刷機の調子は毎日変わります。 機械なのに、 使う人の顔色を見たりもします。 人の精神状態によって 機械も機嫌が良かったり、悪かったり。 あり得ないかもしれませんが、 実際にあります。 常に可愛がって、機嫌よく接すると、 言うことをよく聞いてくれ…

印刷トラブルで一番ショックなのは裏移り(ブロッキング)です。

オフセット印刷で比較的多いミスの中で 裏移りとブロッキングがあります。 裏移りとは 印刷面のインキが上に重なった用紙の裏に移ることです。 片面刷りの場合は印刷のない裏面にインキが付けば使えません。 当然表面にも裏に移った部分は少しインキが剥がれ…

印刷物の色を実物の色に合わせる

「掲載品の色は、印刷の特性上、実物とは多少異なる場合があります。」 「印刷の都合上、商品の色が若干異なる場合がありますので、ご了承ください。」 このような文章は 商品パンフレットやカタログなどの注意書きに よく掲載されていると思います。 多少や…

グレーバランスは崩れやすい

グレーと言ってもどんなグレーなのか 種類が多すぎてわかりません。 鼠色 灰色 ダークグレー チャコールグレー etc グレーだけではありませんが、 色は無数にあります。 プロセスカラー印刷で グレーを表現するのに、単色(墨網)で表現する場合と 三色(シ…